HOME  > コンテンツ  > 労務管理  > 介護事業の労働トラブル防止・処理

労働トラブル防止・処理

急増する事業者と従業員の間のトラブル

介護サービス業に限らず、近年は、年次有給休暇やサービス残業、解雇や雇止めに関する事業所と従業員との間のトラブルが増加しています。

労使トラブルは、当事者間の関係を険悪にし、双方が協調していれば生み出されたであろう様々な利益を失わせ、また、その処理には多大なコスト(時間・費用等)がかかります。

介護事業所にとっても、優秀な人材の流出やモチベーションの低下に伴うサービスの低下を招いたりすることがあります。

介護業界における労働トラブルの背景にあるもの

事業所と従業員間のトラブル増加の背景には、何があるのでしょうか。

介護業界には慢性的な人手不足の状態が続いており、大きな課題となっています。それは、3Kと呼ばれるほど仕事がきついことや低賃金であることが原因であるといわれています。

こうした状況から、介護職員の負担の増加からくる不平不満が噴出したり、数合わせで、応募者なら誰でも採用せざるを得ない事業所においては、能力・適格性のない職員の解雇や雇止めの問題が発生しています。

また、トラブルを大きくする原因の最もたるものとして、次のような、労務管理の不備が挙げられます。

  • 採用基準が不明確
  • 服務規程など就業規則の不備・周知の不徹底
  • 教育訓練や能力開発の軽視
  • パート従業員の労働条件に対する希薄な法認識
  • 指導・相談の体制や機会の欠如

トラブル予防に大切なこと

従業員とのトラブル防止には、雇用管理の上で、特に以下のような点に注意しましょう。

人材募集の段階で、「求める人材像」を明確にする

低い賃金のためか、介護職を誰でもできる仕事だと思っている人が多いのかもしれません。しかし、介護職は、立派な「職人」の世界です。教育すれば、だれでも一定レベルの技術水準に達するわけではありません。

単に職員の頭数だけをそろえる採用が続くと、将来性のない人材を育成するための教育係として、他の有用な介護職員に無駄な負担を強いることにもなりかねません。

そうした理由からも、「質」重視の採用への切り替えが求められます。

少なくとも、求人の募集及び採用面接の段階においては、「求める人材像」を明確にしておきましょう。

就業規則をはじめとした、諸規定の整備

雇用契約書や就業規則がなく、罰則に関する規定が存在することなしになされた懲戒や解雇などの処分は、権利の乱用として、無効とされることもあります。

職員が勤務態度不良や風紀を乱すような行為をした場合の罰則はどうするのか、罰則の種類・理由などについて、服務規程、懲戒規定等に反映させましょう。

適切な介護経営、利用者へのサービス提供には、規律ある行動を求めるため、こうしたルールが必要不可欠であることを社内規定の周知とともに職員に説明しましょう。

介護職員のやる気を喚起する人事労務制度の導入

行政法人の調査では、介護職員の離職理由において、「事業所の経営理念や運営のあり方」や「仕事にやりがいが感じられない」が多い他、教育訓練が不十分だったり、適切な人事評価・処遇が行われていなかったりといったことに対する不満が大きいことが指摘されています。

介護事業所としては、職員のやる気を喚起し、不安・不満をケアするような労務管理のシステムを整備することが必要でしょう。

そのためには、

  • 評価制度の導入
  • 精神的・肉体的疲労に対するケア
  • 仕事と家庭生活の両立への配慮
  • 教育訓練・自己啓発などキャリアアップの奨励・バックアップ
  • 悩みや不安に対する相談体制の確立

などが求められるところです。

トラブルが起きてしまったときは・・・トラブル解決のポイント

まずは、話し合いによる解決を目指すという視点を持つことが大切でしょう。

トラブルの原因となった事件・態度・損害・損失やお互いの相手に対する要求や主張などについて、問題整理し、辛抱強く解決の糸口を探る努力は避けて通れません。

単なる法律的割切りによる解決しか考えないということはある意味では労務管理の放棄、失敗を意味することでもあります。

トラブルの原因について、真摯にその内容を見つめなおし、前向きに解決策を講じていけば、以後における介護事業所の健全な発展と、そこで働く介護職員の福祉の向上に繋がるのではないでしょうか。

万が一のときの解決方法−あっせん制度

話し合いによるトラブルの解決が難しくなった場合の対処方法として、労働局の「紛争調整委員会によるあっせん制度」の利用があります。

これは、労働問題の専門家(弁護士・大学教授・社会保険労務士など)が当事者の間に入り、双方の主張を聞き、具体的な解決案を提示するなどして、話し合いを促進し、トラブルの早期解決を目指すために設けられた国の制度です。

多くの時間と費用を要する裁判に比べ、手続が迅速で簡単であるなど、ほとんど費用をかけずに、専門家の力を借りて和解による解決を図ることができます。

あっせん制度の流れ

あっせん制度のメリット・デメリット

当事者同士の話し合いがつかず、解決の目処が立たないようなときは、大きな助けとなる制度ですが、デメリットもあります。それは、裁判と違い「あっせん制度」は当事者に対して、強制力を持たないことです。

どういうことかと言いますと、当事者双方において、あっせん制度による話し合いのテーブルにつくかどうかということはもちろん、話し合いにより、専門家が提示した解決案を受け入れるかどうかということが当事者双方の意思に委ねられてしまうからです。

つまり、どちらか一方があっせん制度による解決を拒否した時点で、このあっせん制度は打ち切られてしまうのです。

これでは、せっかく「あっせん制度」を利用しようとしても、相手方の協力がなければいつでも打ち切られてしまうのでは、制度のメリットがないのではないか・・・という気がしますが、この「あっせん制度」を利用しないで、当事者双方がお互いの主張を実現させるには、もはや裁判に訴えるしかないのです。

裁判ともなると、問題の解決にさらに多大な時間と労力がかかるばかりか、弁護士費用など金銭的な負担もかかってきます。それは当事者双方にとって、けっして得策ではないはずです。

こうした点に、裁判所に訴える手前の段階で、簡易に解決できるシステムとしての「あっせん制度」を利用する大きなメリットがあるのです。

従業員とのトラブル相談やあっせん制度について教えてほしいという方は、当事務所へお問い合わせください。

お問い合わせのページへ

プリンタ用画面
前
介護事業の社会保険・労働保険手続き
カテゴリートップ
労務管理

無料相談お申し込み - 親切・迅速な対応をお約束

介護事業 介護サービス の 社会保険手続き 加入 労働保険手続き 加入 雇用保険手続き加入 労災保険手続き 加入 キャリア形成促進助成金 他 助成金
労働トラブル 労働基準監督署 労働問題 人事制度改革 人事考課 人事制度 報酬 費用
大阪 京都 神戸 エリア 社会保険労務士 (社会保険労務士事務所)

Copyright © 2010-2013 介護人事.net. All Rights Reserved.